濡れたお札の正しい乾かし方と伸ばし方｜破れず元に戻す安全な手順

うっかり洗濯してしまったお札、どうすればいいか迷ったことはありませんか。

日本のお札は丈夫に作られていますが、濡れたままの扱い方を間違えると破れたり、シワシワになって使えなくなることもあります。

この記事では、濡れたお札を安全に乾かすための4つの方法や、シワを伸ばすコツ、そして万が一使えなくなった場合の交換手続きまでをわかりやすく解説します。

焦らず正しい手順で乾かせば、お札はきれいに元通りにできます。

もしものときに慌てないように、この記事を読んで「お札のトラブル対応力」を身につけておきましょう。

濡れたお札はどうすればいい？まず確認すべきポイント
濡れたお札の正しい乾かし方【4つの方法】
シワシワになったお札を綺麗に伸ばすコツ
乾かしても使えないときの対処法
お札を濡らさないための予防策とまとめ

濡れたお札はどうすればいい？まず確認すべきポイント

お札を洗濯してしまったり、水に濡らしてしまったとき、多くの人は焦ってしまうと思います。

しかし、すぐに乾かそうと慌てると、逆にお札を破ってしまう可能性があるため注意が必要です。

ここでは、濡れたお札を乾かす前に確認しておくべき大切なポイントを紹介します。

お札が濡れたときに慌ててはいけない理由

お札は「ミツマタ」という繊維質の強い素材で作られており、耐久性に優れています。

ただし、水分を含むと一時的に繊維が柔らかくなるため、少しの力でも破れやすくなる状態になります。

そのため、濡れたまま強く引っ張ったり、タオルでゴシゴシと拭くのは避けましょう。

NG行動	理由
手で広げる	繊維が柔らかく破れやすい
タオルでこする	印刷面が剥がれる可能性
高温で急速乾燥	変色・縮みの恐れ

まずは静かに水気を取ることが最初のステップです。

新紙幣と旧紙幣で乾かし方は違うの？

2024年から発行された新紙幣は、偽造防止のために新しい素材やホログラムが使われています。

そのため、旧紙幣よりも耐水性がやや高いものの、濡れた状態で摩擦を加えると印刷が剥がれる可能性があります。

旧紙幣の場合は特に繊維が弱く、乾燥時にシワや破れが生じやすい点に注意しましょう。

項目	新紙幣	旧紙幣
耐水性	やや高い	低い
印刷強度	強いが熱に弱い	摩擦に弱い
乾かし方の注意	直射日光を避ける	低温でじっくり乾かす

破れやすい状態を見極めるチェックポイント

お札が「破れやすい状態」かどうかを確認するには、手触りをチェックしましょう。

もしお札がペタッと張りつく感触や、角がフニャフニャしているようなら、乾燥前に動かすのは避けるべきです。

そういった場合は、まず乾いた紙や布で優しく水分を吸い取るようにしましょう。

濡れたお札の正しい乾かし方【4つの方法】

お札を濡らしてしまった場合、すぐに使えるようにしたいと思うのが自然ですよね。

ここでは、破れを防ぎつつ安全に乾かせる4つの方法を紹介します。

自然乾燥でじっくり乾かす（窓に貼る・平らに置く）

もっとも安全なのは、自然乾燥させる方法です。

軽く水気を取ったら、窓ガラスなどに貼り付けて乾かします。

風通しの良い場所に置けば、数時間〜半日ほどで乾きます。

メリット	デメリット
シワになりにくい	時間がかかる
破れるリスクが少ない	冬場は乾きにくい

タオルやキッチンペーパーを使う方法

軽く水を切ったお札を乾いたタオルやキッチンペーパーに挟み、優しく押さえます。

強く押しすぎると破れる可能性があるため、手のひらでそっと押さえるのがコツです。

短時間で水気を取りたいときに最もおすすめの方法です。

ドライヤーを使うときの安全な手順

ドライヤーを使う場合は、「中温」かつ「20〜30cm離して」風を当てましょう。

高温で近づけすぎると、お札の印刷が浮き上がったり変形する危険があります。

平らな机の上に置いて乾かすと、シワを防ぎやすくなります。

設定温度	距離	時間目安
中温（約60℃）	20〜30cm	2〜3分

お米を使った乾燥法は本当に効果的？

スマートフォンの乾燥に使われるお米は、お札にも応用可能です。

ジップロックにお札と生米を入れ、密閉して1〜2日置くとゆっくり乾燥します。

ただし、この方法は時間がかかる上にお米を無駄にするため、緊急時以外はおすすめしません。

お札の安全を優先するなら、自然乾燥またはタオル乾燥がベストです。

シワシワになったお札を綺麗に伸ばすコツ

お札を乾かしたあと、シワシワになってしまった経験はありませんか。

実は乾かす過程で少しの工夫をするだけで、見た目をほぼ元通りにすることができます。

ここでは、お札を破らずに綺麗に伸ばすコツを紹介します。

アイロンを使うときの温度と注意点

最も効果的にお札を伸ばせるのは、アイロンを使う方法です。

ただし、温度やあて布の有無などに注意しないと、焦げや変色の原因になります。

まずは低温（80〜100℃）に設定し、薄いハンカチなどの布を上にかけてから軽くアイロンを滑らせましょう。

設定温度	アイロン時間	注意点
80〜100℃（低温）	数秒ずつ	必ずあて布を使う
120℃以上	不可	変色・焦げの恐れあり

紙の繊維を守るためにも、蒸気は使わず「ドライ」設定で行うのがポイントです。

アイロンを滑らせるというより、押し当てて持ち上げるようにかけるとシワを伸ばしやすいです。

重しを使って自然に伸ばす方法

時間をかけて自然に伸ばしたい場合は、重しを使うのが安全です。

乾かしたお札をキッチンペーパーなどで挟み、その上に本や雑誌を乗せて半日ほど置きます。

この方法なら熱を使わないため、焦げるリスクがありません。

方法	必要な時間	特徴
重しを乗せて自然乾燥	約12時間	シワが少なく自然な仕上がり
アイロン仕上げ	約5分	短時間で即使用可能

やってはいけないお札の伸ばし方

濡れたままの状態でアイロンをかける、または電子レンジで乾かすのは絶対にやめましょう。

どちらも紙の繊維を傷め、最悪の場合印刷面が溶けたり破れたりする可能性があります。

焦らず、しっかり乾燥してから伸ばすことが一番のコツです。

お札は「紙」ですが、実際は繊維製品のように扱うのがベストです。

乾かしても使えないときの対処法

もしお札が破れたり、欠けてしまった場合でも、あきらめる必要はありません。

日本銀行や金融機関では、一定条件を満たせば新しいお札と交換してもらうことができます。

破れた・ちぎれたお札は交換できる？

日本では、破損したお札の交換基準が明確に決められています。

以下の表は、日本銀行が定める交換条件の目安です。

残っている面積	交換結果
3分の2以上	全額交換
5分の2以上〜3分の2未満	半額交換
5分の2未満	無効（交換不可）

小さく破れているだけならテープで補強して使うことも可能ですが、レジで受け取ってもらえない場合があります。

その場合は無理せず、金融機関で交換を依頼しましょう。

海外で破損した日本円の扱い方

海外に滞在している場合は、現地の銀行では日本円の破損交換は受け付けていません。

日本へ帰国する際に日本銀行または都市銀行へ持ち込むのが確実です。

どうしても帰国予定がない場合は、郵送による交換手続きも可能です。

方法	必要書類	送付先
郵送による交換	本人確認書類、破損紙幣	日本銀行本店または支店

日本円は非常に信頼性の高い通貨なので、状態が悪くても諦めずに相談しましょう。

日本銀行や金融機関での交換手順

交換の際は、近くの銀行や日本銀行窓口に持ち込みます。

窓口で破損紙幣を提出し、係員の確認を受けた上で交換金額が決まります。

交換は無料で行われ、所要時間は10〜15分程度が目安です。

身分証明書を持参することで、スムーズに手続きが進みます。

大切なお金を最後まで無駄にしないためにも、交換制度を覚えておくことが重要です。

お札を濡らさないための予防策とまとめ

ここまで、お札を乾かす方法や伸ばすコツを紹介してきました。

しかし一番大切なのは、「そもそも濡らさない工夫」をすることです。

最後に、日常で実践できる簡単な予防策と、記事全体のまとめを紹介します。

日常で気をつけたいお金の保管ポイント

お札を濡らさないためには、まず収納場所の見直しが重要です。

特に洗濯のときに多いのが、「ポケットに入れたまま気づかず洗ってしまう」パターンです。

帰宅後は、必ず財布やバッグにお金を移す習慣をつけましょう。

場所	リスク	対策
ズボンのポケット	洗濯での水濡れ	帰宅時にポケットチェック
レシートと一緒に保管	湿気で印刷面が移る	別ポケットに分けて収納
車内や浴室近く	湿気や温度変化	密閉袋に入れて保管

保管場所を意識するだけで、お札の劣化や濡れトラブルを大幅に防げます。

財布や洗濯前チェックの習慣化

「うっかり洗濯」を防ぐ最も効果的な方法は、ルーティン化です。

たとえば洗濯機に服を入れる前に、ポケットを触ってチェックすることを毎回の習慣にしましょう。

スマートフォンやイヤホンなどと同様に、「ポケット確認＝自分を守る行動」として定着させるのがポイントです。

タイミング	確認内容
帰宅直後	ポケット内のレシート・お金を取り出す
洗濯前	すべてのポケットを裏返してチェック
外出時	財布の中の濡れ防止フィルムを確認